2013年5月2日木曜日

Fantasia『Side Effects of You』(2013)

ファンテイジアの待望の4作目がリリースされました。元祖アメリカン・アイドルもデビューしてからすでに9年目に突入。すでに中堅の域に入っていますが、マイペースに活動しているのがいいですね。

約3年ぶりとなる今作、全米チャートでは前作と同様、初登場2位を記録しています。シングル的に派手なチャートアクションがなかったにもかかわらず、これだけのセールスを記録したのは素晴らしいと思いますね。「アイドル」という枠組みを越えて、彼女がR&Bファンに支持されている証拠ではないでしょうか。

さて、今作で注目すべき点と言えば、アルバムほぼ全編をロンドン出身のハーモニー・サミュエルズがプロデュースしているということ。自作自演系以外で、一人のプロデューサーとがっちりタッグを組むというのはR&Bではとても珍しいことだと思います(近年だとクリセット・ミッシェルも同様の試みをしてましたね)。相性の問題もあると思うけど、よっぽど波長が合ったのでしょう。


さて、それではさっそく内容に移りましょう。


(1)Supernatural Love feat. Big K.R.I.T
のっけから重厚なゴスペル調のコーラスにずっしりとしたドラムが入り気分を盛りたてる、ヒップホップソウルな一曲。カッコイイですね~。サビでは「わたしはレディ、オンナ、母でもあり、娘でもある。でもあなたといっしょにいると、力がみなぎる。自然を越えた、この愛は二人のもの」と力強く歌われています。ビッグ・クリットがラップで参加しています。

(2)Ain't All Bad
これまた予想外の飛び道具的な一曲。まさかラヴァーズ・ロック調の曲で攻めてくるとは! でも、全編レゲエ調というわけでなくて、途中でリズムが転調したりして、全体としてはポップな仕上がりだなと思います。彼女の歌声もファンキーだし、これ、個人的にはかなりのお気に入りですね。

(3)If I Was a Bird
ストリングスとピアノを配した、前作の延長にあるような王道のR&B。タイトルが英語の教科書に出てきそうなフレーズなんだけど、歌詞の内容としては、もしわたしが鳥ならここから羽ばたいて全てを忘れて世界を旅したい(あなたと恋に落ちていなければの話だけど・・・)みたいな感じのラヴソングだと思います。

(4)Girl Talk (Interlude)
2分弱のスキット。

(5)Without Me feat. Kelly Rowland & Missy Elliott
また攻めの一曲。ここ最近のトレンド的な音数を絞ったスペイシーなビートを採用し、スクリューヴォイスも追加、彼女自身は控えめでクールな歌唱を披露しています。さらに客演としてケリー・ローランドとミッシー・エリオットが参加という豪華な布陣。この曲、ケリーが得意そうなナンバーなんだけど、彼女と比較するとファンテイジアのヴォーカルに少々セクシーさが足りないなあと思ったり・・・。ミッシーはラッパーとして存在感のあるフロウを披露していますね。



(6)Side Effects of You
アルバム中唯一ノーティー・ボーイというプロデューサーによる曲で、壮大なバラード。いま注目のエメリー・サンデがソングライティングしており、コーラスとチェロ(!)でも参加しています。それにしても、「あなたの副作用」って面白い表現ですよね~。

(7)Get It Right
これも意表を突くような弾けたファンキーな一曲。事前情報では今作が「ロック・ソウル」的なアプローチになると伝えられいたけど、ここに来てやっと来たか~という感じ。ぱっと聞いて感じだと、ジャネル・モネイの「Tightrope」なんかを想起させますね(狙ったのか?)。楽しい曲です。

(8)So Much To Prove
ロックモード継続。ギターの鳴りは少ないけど、ドラムが暴れていますね。3分弱の爽快な一曲です。

(9)Change Your Mind
ややスローダウンして、軽快な雰囲気の一曲。ホイットニー・ヒューストンの「I'm Your Baby Tonight」を引用しているらしいのだけど、聴き比べてもどの箇所がすぐにわからないです(汗) それにしても、ファンテイジアの伸び伸びとした歌唱が炸裂していて、この流れとてもいいですね。

(10)Lighthouse
ややR&Bサイドへ戻った感じでしょうかね。ただ、ギターの音も入っているし、(3)の上品なスタイルとは違う「ロック・ソウル」アプローチが継続されています。

(11)Lose To Win
アルバムからのリードシングル。アルバムの流れからすると、よく考えられた曲順だなあと思いますね。何だかしっくり来る。コモドアーズの「Nightshift」を引用、こちらはまんまやなーというぐらいに、ベタなサンプリングになっています。


(12)End of Me
ミディアムテンポの重量感のあるサウンドを展開。中盤以降にはギターソロなんかも入ったりして、ロックモード全開です!

(13)In Deep
ゴリ押し的な、ミディアムテンポの壮大なバラード。ココらへんはもう少しひねりがあったほうが良かったかなーと思ったのだけど、どうでしょうかね。


全13曲収録。生音も積極的に取り入れながら、ヒップホップ的なアプローチとロック・ソウルを組み合わせた、意欲的な作品になったのではないかと思います。



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